看護師未受験300人、再試験見通し立たず- 山梨・長野両県、早期の救済措置を

記録的な大雪の影響で、山梨と長野両県の看護系大学などの学生ら約300人が、16日に実施された看護師国家試験を受験できなかったことが分かった。厚生労働省は再試験を実施する方針だが、試験の日程が決まっていないため、「受験できなかった学生は、大変不安な状況に置かれている」(長野県)という。医療機関から採用の内定が出ている学生も多く、被災県の関係者からは、再試験の早期実施を求める声が上がっている。【新井哉】 

■交通機関まひで“陸の孤島”、試験会場に向かえず

 「採用を予定する医療機関にも多大な影響が懸念される」。長野県の阿部守一知事は20日、厚労省を訪れ、原徳壽医政局長に対し、再試験の早期実施を要望した。今回の大雪の影響で、同県内では約50人の学生らが、東京都内や愛知県内の試験会場にたどり着けなかった。阿部知事は受験できなかった学生らの窮状を伝え、今年度内に合格発表を行うことを求めたという。

 交通機関がまひし、一時は“陸の孤島”となった山梨県では、約250人の学生らが県外の受験会場に向かえず、試験を受けられなかった。「1メートル近く降り積もった雪の中を、10キロ以上歩いて駅に向かった学生もいた」(学校関係者)という。

 受験後に帰郷できないケースも続出。佐久大学(長野県佐久市)の受験者は、16日に東京都内の会場で試験を受けた後、当日中にバスで戻る予定だった。しかし、幹線道路が通行止めになっていたため、都内のホテルに1泊し、翌17日に長野に戻った。

■「電話つながらず」、厚労省の対応に疑問の声も

 大雪の対応をめぐっては、厚労省の緊急時の対処能力を疑問視する向きもある。同省は、試験日前日にウェブサイトで試験開始時間の繰り下げなどを公表していたが、学校関係者からは「担当部署に電話がつながらなかった。もっと早く決めてもらえれば、大雪の中の移動で学生を危険な目に合わせることもなかった」との意見が出ている。

 厚労省は、今年度内の再試験と合格発表を視野に入れて調整しているとみられるが、再試験の日程を決める審議会は、まだ開かれていない。落ち込んでいる学生を目の当たりにした学校職員からは、「1日も早く再試験の日程を決めてほしい」との要望に加え、「内定が出ている学生が4月から勤務できない」と窮状を訴える声も出ている。